求愛行動にまつわる「三角関係」を解析した論文が公開

2015/11/04 19:23 に Takashi Matsuo が投稿   [ 2016/03/10 21:50 に更新しました ]
瀬戸口さんが筆頭著者の論文がProceedings of the Royal Society B誌に掲載されました。

Social context-dependent modification of courtship behaviour in Drosophila prolongata
Shiori Setoguchi, Ayumi Kudo, Takuma Takanashi, Yukio Ishikawa, and Takashi Matsuo

この論文中では、オス―メス―ライバルオスの3者の相互作用について、3つのことを明らかにしました。

1.テナガショウジョウバエに特徴的な求愛行動「leg vibration」にはメスの交尾受容性を高める効果がある。
2.一方、Leg vibrationにより生じる音は周囲にいるライバルオスによるメスの横取り行動を誘発してしまう。
3.そのため、ライバルオスの存在下では、leg vibrationよりもメスに対する効果は薄いがより安全な「rubbing」という求愛行動の割合が増える。

1.については、おそらく雌雄間の対立が背景にあるのではないかと考えています。2.は典型的な信号傍受の一例で、なわばりを持てないオスが代替戦術として採用しているのかもしれません。3.はいわゆる「best of the bad jobs」的な策ですが、社会的条件に応じた求愛行動の可塑的変化として大変珍しい事例です。

なお、この論文に含まれる内容は第33回日本動物行動学会および第59回日本応用動物昆虫学会において、それぞれポスター賞をいただいています。
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