やられたっ!

Kai Amino: Sep 12, 2019

キャンパス内のエノキの梢を、ゴマダラチョウが飛び回っています。枝や葉の先を調べると案の定、碧色の卵がいくつもあります。産卵直後は特に色鮮やかで美しい! 周りをチョコチョコ歩き回っている微細な羽虫を軽く追い払い、嬉々として居室に持ち帰ったのでした。

数日後、鮮やかな碧が褪せて白っぽくなった卵を見ていると… へんだな、全体が少しずつ色づいてくるはずが、中に何かの構造があるように見えます。赤い斑点もありますね。

卵が黒くなってくると、その疑念はいよいよ確信に変わります。本来は孵化してくる幼虫の頭部だけが色づき、卵の半分が黒くなるのですが、この卵はところどころ黒くなっています。幼虫ではない何者かが潜んでいるのではなかろうか…

二日後、実体顕微鏡が捉えたのは「孵化」ではなく、「羽化」の瞬間でした。

卵の殻が割れて、まずヒョコッと触角が出てきます。

もぞもぞと頭部が現れて、

ついに真っ黒なハチが飛び出しました!

タマゴバチの仲間です。卵を採ってくる時に見かけたあの小さな羽虫は、まさにこいつでした。産卵場所である蝶の卵を求めて歩き回っていたものと思われます。そして卵の中に見えた赤い斑点は、蛹になったこのハチの目だったようですね。

初めて図鑑で見たときは、よくもまあこんな小さな卵の中だけで大人まで成長するもんだよなぁ、などと感心したものですが、このあとさらに同じ卵から3匹立て続けに出てくるのでたまげてしまいました。

結局、タマゴバチの襲撃を逃れた幼虫を見つけて、飼っています。何かまた別の寄生者が、その体内に巣くっていないことを願いつつ…