口の長い捕食者?

初夏の蝶、ゼフィルスの仲間のアカシジミは、その中でも最も発生が早く、この時期になると少しずつ翅の縁や模様に傷が見られ始めます。

シジミチョウの中には、このアカシジミのように後翅の末端に尻尾のような構造(尾状突起)と斑点(眼状紋)を持っているものがあります。(そう思って眺めると)これらの部位がそれぞれ触角と目のように見えて、お尻に偽の頭をくっつけているように感じませんか?このような現象は「false head(偽頭)」と呼ばれ、トカゲの目立つ青い尻尾と同じように、捕食者に致命的でない部分を意図的に狙わせて身を守る「deflection(反らし)」効果の一種と考えられています。

実際、このように尾の先を千切られた個体が見つかることがあり、false headがうまくはたらいた証拠と言えそうです。

今日見た個体には、細長い形の食い痕が残されていました。一体どんな捕食者に狙われたのでしょうか…

False headによって騙そうとしている野外での捕食者が誰なのかは、まだよく分かっていません。食い痕の形を元に、シジミチョウたちを狙う捕食者を割り出せるかもしれませんね。